世界的に有名な一流デザイナーの華麗なる人生を描いた「イヴ・サンローラン」（9月6日公開）で、主人公サンローランを見事に演じたピエール・ニネ。国立劇団コメディ・フランセーズに在籍するニネは、演技力だけでなく美貌も持った逸材。その実力のほどは役作りに心血を注ぎこんだ「イヴ…」で存分に味わうことができる。
『この映画のキャンペーンでいろいろな国を回りましたが、日本に来ることができて本当にうれしいです。サンローラン自身も日本を大切な国と思っていましたし、ぜひ日本の観客に見ていただきたい映画だと思っています』
　と挨拶したニネは、二五歳ながら落ち着いた雰囲気。
『パリで舞台のリハーサル中にジャリル・レスペール監督から電話をもらって、「ビールでも飲まない？」って誘われたんです。その時、「歴史に残るラブストーリーを書き上げたんだ。テーマはサンローランなんだけど、出てくれないか？」と言われて、大喜びでどの役ですか？と伺ったら、なんと主役で、びっくりしてしまって』
　サンローランと自分の共通点については、
『強いて言えば、仕事の早熟性というところでしょうか。僕もかなり早くから演技に興味を持って、進むべき道が若くして定まりましたから』
　日本のファンへメッセージを。
『何もなかったところからサンローランがいかにファッション帝国を築いていったかをお目にかけます。貴重なファッションもご覧いただけるし、また彼の悩みや痛み、ダークな面も同時に見せています。ぜひ劇場まで見に来てください』
Photo by Tsukasa Kubota