大ヒットの一番の要因は、この物語のストーリーの強さと素晴らしさにあると思います
Q:この映画が世界で大ヒットした理由はなんだと思いますか?
オリヴィエ:大ヒットの一番の要因は、この物語のストーリーの強さと素晴らしさにあると思います。これが世界中の人々の感動と共感を呼んだのではないでしょうか?なぜならこのストーリーは実話だからです。本来出会うはずのない2人が、ありえない形で友情を深めていく――、社会的にも文化的にも対極にある全く違う二人が壁を越えて<最強>になる。こんな物語は、逆に“創作”だったら思いつくはずがありません。
さらに、フランソワ・クリュゼとオマール・シーの2人の役者にも支えられました。2人の素晴らしい演技がこの作品をリアルなものにしたと思います。
エリック: 映画は予想を越えて世界で大ヒットいたしました。最初はみんなが少し不安がるようなテーマではあるのですが、結局はみんな楽しく笑って満足して映画館を出て行きます。今、映画は、テレビ番組の競合の問題など、見る人が減っているというような感じもありますが、それでもこの「最強のふたり」のように映画館に人の足が絶えないのは、大きなスクリーンで知らない人たちと暗闇で映画をみて、喜怒哀楽を共有することが何より素晴らしいことだとみんなが知っているからだと思います。
Q:撮影で大変だったことや、難しかったところは何ですか?
エリック:もともと映画をとること自体がすべて大変なことではあるのですが、自分自身にとって今回の映画では、感動と笑いのバランスを常にキープすることを心がけていました。少し下手をすると、低俗になりすぎたり、深くしすぎると、重い物語になってしまう…。今回は、より重いテーマをコメディで描くことで、垣根なくみんなが楽しんでもらえる作品になるように努力しました。
Q:主演2人の起用理由は何だったのですか?
オリヴィエ:オマールシーはもともと私たちの以前の作品に数本出演してもらっていて 非常に素晴らしい人物ということを知っておりました。この作品は彼のために書いた映画といっても過言ではありません。これまで彼とは、長く一緒に仕事をしていましたが、オマール・シーはフランスでは大変有名なコメディアンです。普段はTV番組でみんなの笑いをとることが主なのですが、今回の映画では、彼にそれ以外の部分も表現させてみたかったのです。ちゃんとした演技の勉強をしたことはない彼ですが、即興でおもいのままに役にぶつかる姿勢に感動しました。
もう一方のフランソワ・クリュゼはオマールとはちがって、フランスで尊敬される舞台出身の実力派俳優です。 この対極のタイプの2人の競演が、まさに本物のアブデルとフィリップを演じることでより現実と近いリアルな感じを出すことができました。
これはこの上ないベストなキャスティングだったと考えています。
Q:監督たちにとって好きなシーンはどこですか?
エリック:1つのシーンを選ぶのは難しいですが、あえて選ぶのであればオマールがフランソワのために踊るシーンでしょうか?このシーンは脚本段階から構想はあって、オマールには伝えていたのですが、彼は、最初は「踊るのなんていやだよ」と少しはずかしがっていました。撮影になって、「じゃあ、音楽をかけてみて、実際に動かしてみよう」というところで気軽に始めたのですが、音楽を聞いてオマールは自然と動き出しました。実はあれはその1回のテイクでとりきったのです。複数のカメラを同時にまわしていたので立体的なシーンにもできました。現場がいったいとなって撮影している瞬間だったので、実際本編が完成してこのシーンをみても何度も胸にじーんときます。
そして何よりも感動てきなのはオマールが自分のために踊ってくれているのをみているフィリップの演技です。実際は首からが下が動かないですが、彼はまさに、視線や表情だけで「自分も一緒になって踊っている、楽しんでいる!」というのを表現しているのです。
本当に素晴らしいですね。
オリヴィエ:エリックがいっていたように本当に難しいですね。
同じシーンでの話ですが、音楽をつかった言い合い(バトル)のシーンでしょうか?あのシーンは実際のオーケストラがライブ演奏していたのですが、そのオーケストラの楽曲をつかって、いろいろなクイズやつっこみをするシーンです。音楽ひとつをとっても文学的背景、社会階層がよくわかるなと思いました。あのシーンは脚本をかいているところから想定していていましたが、クラシック音楽で笑いをとるという実験は見事成功しましたね。何度見ても飽きないし、感動します!
Q:大変な時を生き抜くために大切なことはなんですか?
エリック:どんな状況でも楽観視しながら生きていくことができればいいと思っております。これは実際にフィリップさんの言葉にもあったのですが、彼がいつも言っているのは「息をしているだけで、それだけでありがたいんだ。生きていること自体がすばらしいので、いつも前向きになりたい。落ち込んでいるのはもったいないからね。」ということです。またユーモアを失わないというのも大切だと思っております。
Q:二人で監督するのに、良いことと悪いことはなんですか?
オリヴィエ:すべてがデメリットです(笑 それは冗談ですけど、みんななんで二人でやらないんだろうと思うくらいいいことがおおいですよ。脚本をかくときも撮影のときも二人のフィルターを通すことができるのでより建設的に物事を進められます。またこうして成功した際は喜びをわかちあうことができ、たとえ失敗したとしても二人で乗り越えることができる。まああえていうと収入が半分ずつになるのは悪いことかな(笑
PROFILE
[出生地]オリヴィエ/フランス、パリ生れ エリック/フランス、オー・ド・セーヌ生れ
[生年月日]オリヴィエ/1971年 エリック/1973年
クリス・プラット
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」のクリス・プラット
エラ・バレンタイン
「赤毛のアン」のエラ・バレンタイン
ヴィン・ディーゼル
「ワイルド・スピード ICE BREAK」のヴィン・ディーゼル
エマ・ワトソン
「美女と野獣」のエマ・ワトソン
スカーレット・ヨハンソン
「ゴースト・イン・ザ・シェル」のスカーレット・ヨハンソン
ナタリー・ポートマン
「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」のナタリー・ポートマン
トム・ヒドルストン
「キングコング:髑髏島の巨神」のトム・ヒドルストン
ライアン・ゴスリング
「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴスリング
エマ・ストーン
「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン
エヴァ・グリーン
「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」のエヴァ・グリーン