『戦火の馬』は、数多くいる様々な人々を描いた物語なのです
Q:この物語をどうやって映画として描こうと考えられましたか?
A: あの小説(もちろん舞台版を見た時にもインスピレーションを受けていますが)から私が真っ先に採用したのは、とても厳しく容赦のない地主によって苦境に立たされている家族が、この農場を続けるためには時間が足りないというアイデアでした。酔いどれ状態の父親は農場を救おうと農耕機を引かせるための馬を買います。しかし、彼が買ったジョーイという名のウォームブラッド(アラブ馬とポニーの交配種)は農耕機を引ける状態ではなかった。あの種はそういう作業には向いていないのです。
しかし若い息子のアルバートはこの馬に強い信念を持っており、ジョーイと深い友情の絆を築きます。そして共に力をあわせて、少なくともこの農場を救おうと、石だらけで不毛の土地を耕します。第一次世界大戦でこの馬が役畜として従軍するため戦争に送りだされて離れ離れになる頃には、相乗作用と本物の感情のこもった共同関係が彼らの間に築かれていました。だからこそ観客はその時点で、いつか必ず再会する運命の日がやってくるだろうと確信できるのです。
Q: アンサンブル・キャストは、どのような形で進めたのですか?
A:『戦火の馬』は少年と馬の物語だけではありません。『戦火の馬』は、数多くいる様々な人々を描いた物語なのです。私がこれまで手がけた中で、もっとも満足のいくアンサンブル・キャストの1つとなりました。アンサンブルとは言いながらも、同じシーンで絡むことは実際にはほとんどありません。しかし全員が一緒だという印象は残るのです。あれほど多くの役者たちが、一緒に演じる機会がほとんどなかったにもかかわらず、全身全霊を投げうって取り組んでくれたことを誇りに思っています。
Q: ジョーイにつけられているペナント(三角旗)にはどのような意味があるのですか?
A: フランスの農場や戦争中のドイツ側とイギリス側と、様々な場所で展開されるそれぞれのストーリーをひとつにまとめる方法を見いだそうとしていました。そこで、この一見バラバラなストーリーの数々を1つにまとめてくれる、統合的要素を持つ1つの小道具を使ったらどうかと考えました。このアイデアは面白いと思った私は、リチャード・カーティス(脚本)にそう告げると、彼が草稿に書いた設定が、ボーア戦争で戦った父のペナントを少年が母から渡されるというものでした。親友の愛馬ジョーイが売られて農場から去るとき、少年がジョーイの端綱にこれを結びつけます。これでジョーイはこのお守りを、もしくは彼らの友情を記念する品を身に付けたことになります。この戦争ペナントがストーリーからストーリーへとたどり、最終的に元来た場所に戻ってきます。このように、それぞれのストーリーを結びつける視覚的で映画的な護符があれば、断片的な作品になることを避けられるので、私はこれを重視していました。あの戦争ペナントはまた、単にジョーイとヨーロッパで起こったそれぞれのストーリーをつないでいるだけではなく、あの少年と父親をつないでいるものでもあるのです。
Q: ひとつは軍の演習、もうひとつは実際の戦闘と、スペクタクルに満ちた突撃シーンが2つありますが、演習シーンを入れた理由は?
A: 軍隊が調達した馬の訓練をしなければならなかったという事実を見せることが重要でした。馬の訓練には、実際にはこの物語で描かれているよりももっと長い期間がかけられています。スクリーン上で描かれている以上の訓練が行なわれたということは、観客に想像してもらわなければなりません。私がどうしても見せたかった訓練は、騎兵隊の突撃演習でした。同時にこのシーンでは、ジョーイ(ニコルズの馬)とトップソーン(ジェイミーの馬)が、ちょうどニコルズとジェイミーがどちらの馬が速いかとか、どちらの馬が突撃の最後にブルーリングを獲得するかといったことで争っているのと同じように、ライバル関係になる姿を描くことが大切でした。
演習のシーンを映画に入れるべき理由は、ある意味、ニコルズとジェイミーを一緒に描くこと以上に、トップソーンとジョーイを好敵手として描いていることにありますね。
PROFILE
[出生地]オハイオ州シンシナティー生れ
[生年月日]1946年12月18日
クリス・プラット
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」のクリス・プラット
エラ・バレンタイン
「赤毛のアン」のエラ・バレンタイン
ヴィン・ディーゼル
「ワイルド・スピード ICE BREAK」のヴィン・ディーゼル
エマ・ワトソン
「美女と野獣」のエマ・ワトソン
スカーレット・ヨハンソン
「ゴースト・イン・ザ・シェル」のスカーレット・ヨハンソン
ナタリー・ポートマン
「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」のナタリー・ポートマン
トム・ヒドルストン
「キングコング:髑髏島の巨神」のトム・ヒドルストン
ライアン・ゴスリング
「ラ・ラ・ランド」のライアン・ゴスリング
エマ・ストーン
「ラ・ラ・ランド」のエマ・ストーン
エヴァ・グリーン
「ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち」のエヴァ・グリーン