『今までの3本でじっくりベラのパーソナリティーをつかまえてきたから、今回は結婚するに当って、彼女の覚悟とか不安が自分のことのように理解できた。今までのベラは混乱して、たどたどしい進み方をしてきたけれど、今度は自分が何をしたいかはっきり分かっていて、それは役作りをしていても、とても楽しかった。女優としてもユニークなチャンスで、すごく張り切って演じられて、監督の要求もすぐに把握できて、ものすごく満足している』

　右手の人差し指と中指の指輪を左手でつかみながら、クリステンは低い声で話してくれる。

『出産シーンは初めての体験で、かなりグロテスクだなあと思うけれど、これが彼女の選択の結果で運命なのだというドラマのクライマックスでもあるわけだから、すごくパワフルにしたわけでしょう。ベラは隅に逃げ込んだネコみたいに防衛本能にとらわれて、がんこで、ほとんど“アンタッチャブル”みたいな状態で、これがヴァンパイアと結ばれる覚悟なのよね。ガイコツのようなベラはもちろん、作られた人形だけど、エドワードが彼女の心臓を吸血鬼の毒の注射を使って刺すとき、私はテーブルの下で大暴れしたから、後で見たら、体中アザだらけになったりして。私の頭はガイコツに比較すると丸々としているから、これでうまくいくのかなと思ったら、CGでものすごく巧妙に私の顔もぐーんと細くして、見事な結果を見てビックリ。ビックリしたり、ちょっと気持悪くなったりで、こういうときにロブやテーラーがおかしなことを言って笑わせくれて、本当に二人がいつも励ましてくれていなかったら、ここまで激しく出来たかどうかわからないわ』

（続きはＳＣＲＥＥＮ4月号でご覧下さい）
Text by Yoko Narita