「インフォーマント！」で太ったり「インビクタス／負けざる者たち」で筋肉質のラガーマンになったり、この「グリーン・ゾーン」ではいつもの体型に戻って軍人役と、肉体改造に忙しいマット・デーモンは、いつものように明るく、気さくにインタビューに応じてくれる。


『ポール（グリーングラス監督）は「ユナイテッド93」と「ブラッディ・サンデー」（日本はＤＶＤ公開）で主要人物以外は俳優でない素人を使って、ドキュメンタリー・タッチの映画作りに成功し、ここでも本物の兵隊を使ってね。実際にイラクに行っていた彼らが色々と体験談や状況を教えてくれて、僕らのように全く兵隊になったことのない俳優たちを指導してそれが映画を一際リアルに見せていると思う。ポールは“ジェイソン・ボーン・シリーズ”と同じクルーを使って、ハンドカメラで撮影し、スピードと臨場感を出しているが、僕の役はボーンと正反対でプロの殺し屋などではないから、いつでもビクビクしている。テロリストと対面した時にピストルをつきつけられている場面ではパニックに陥っているだろう。ボーンだったら平然として次のステップを考えているはず。

今回の役は軍服を着ているから肉体的には変える必要がなかったが、武器をすばやく扱ったりするテクニックには準備を必要とした。家で3人の子供を追い掛け回しているだけでもかなりのエキササイズになるしね。「グリーン・ゾーン」のあとに「インフォーマント！」の撮影に入ってブクブクと太り、その後に突然「グリーン・ゾーン」の撮りなおしの要求が入ったから、ショットのいくつかはよく見るとまん丸な顔の僕が写っている。体重を変えるとそういう時にすごく困るんだよね。映画がクランクアップした時、自分が出ている映画がヒットした時、コケけた時、いつもワイフと一緒に食事に出かけて祝杯をあげる。お互いに食べるのが大好きだから。体重を落とした撮影が終った後に食べるチーズバーガーとシェイク・シャックは何といっても最高だ！』


（続きはＳＣＲＥＥＮ6月号でご覧下さい）

Text by 小野亜優