今年のアカデミー賞最優秀外国語映画賞受賞作で、パオロ・ソレンティーノ監督が現代ローマを舞台に描く人間ドラマ。出演は「ゴモラ」のトニ・セルヴィッロ、カルロ・ヴェルドーネ、サブリナ・フェリッリら。10年前に発表した小説『人間装置』が高い評価を受け、名声を得た作家で、今はインタビュアーなどをしているジェップ・ガンバルデッラ（セルヴィッロ）は、ローマでは知らぬ者の無いセレブとして、友人のロマーノ（ヴェルドーネ）らと夜な夜な繰り広げられるパーティー三昧。65歳になった今も乱痴気騒ぎに明け暮れる日々の虚しさを受け入れ、人生はすでに残り少ないことにも気づいている。そんな彼に思わぬ報せが届く。それは心の中で思い続けていた初恋の女性エリーザの訃報だった。エリーザの夫から『彼女は35年間、君を愛し続けていた』と聞いたジェップは後悔の念を隠せなかった。