「ロード・オブ・ザ・リング」のヴィゴー・モーテンセンが一卵性双生児を一人二役で演じ、全編スペイン語でのセリフに挑んだクライム・サスペンス。監督は新人のアナ・ピターバーグ。そのほか「瞳の奥の秘密」のスタッフとキャストが結集し、ソレダ・ビジャミル、ハビエル・ゴディーノといったアルゼンチンの実力派俳優が共演。ブエノスアイレス在住の医師アグスティン(モーテンセン)は空虚な心を抱えた男。裕福な生活を送っているが、繰り返しの人生に漠然とした不安を感じ、養子縁組をめぐって妻クラウディア(ソレダ)と口論になってしまう。すべてをやり直したい。そう願う彼の前に現われたのは、しばらく音信不通だった一卵性双生児の兄ペドロ(モーテンセン二役)だった。ペドロは予想もしなかったことを口にする。俺は末期ガンで長くない。この苦しみから解放してほしい、と。拳銃を差し出されたアグスティンは衝動的に兄を殺してしまう。兄に成り代わり、新たな人生を歩むために。生れ故郷のティグレに戻ったアグスティンは、兄のペドロとして第二の人生をスタートさせる。だが彼を待っていたのは、近所の人の冷たい目線と、拷問のような警察の取調べだった。どうやら兄は養蜂業を営みながら闇の誘拐ビジネスにも手を染めていたらしい。面会に来た妻は夫と義兄の入れ替わりに気づくが、アグスティンにはもう後戻りするつもりはなかった。釈放された彼は世話人の女性ロサと関係を深め、初めて人生の安らぎを得る。だがようやく掴み取った新たな人生は忌まわしき因縁によって大きく揺らいでいく。
スタッフ・キャスト
[監督]アナ・ピターバーグ
[出演]ヴィゴー・モーテンセン、ソレダ・ビジャミル、ハビエル・ゴディーノ
上映時間:1時間58分
配給:2012年アルゼンチン=スペイン=独映画/ブロードメディア・スタジオ配給
公開日:7月12日公開 (C) 2012 Tornasol Films SA/Haddock Films SRL/Castafiore Films SL/Terz Filmproduktion