「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督のゴールデングローブ賞作品賞候補作で、出演は「００７ スカイフォール」のジュディー・デンチはじめ、トム・ウィルキンスン、マギー・スミス、ビル・ナイら英国のベテラン陣。さらにデーヴ・パテルらインドの俳優たちが共演する。
四〇年間連れ添った夫を亡くしたイヴリン（ジュディー）は、夫の残した負債を返済するため家を売り、“インドの高級リゾートホテルで穏やかで心地よい日々を”という言葉に誘われ、異国での一人暮しを決意。このマリーゴールド・ホテルに申し込んだのは彼女のほかに高齢の男女六人。退職後の家の購入に予算不足で当地を選んだダグラス（ナイ）とジーン（ペネロピー・ウィルトン）夫妻、股関節の手術を受けるため渋々やってきたミュリエル（マギー）、異国での恋を期待するノーマン（ロナルド・ピカップ）、金持ちの独身男性を探すマッジ（セリア・イムリー）、判事をやめて数十年ぶりにこの地に戻ったグレアム（ウィルキンスン）。彼らを待っていたホテルの若き支配人ソニー（パテル）はやる気満々の青年だが、実際のホテルは改装中の不便な部屋ばかり。だが前金を払った七人に選択の余地はなかった。
ホテルの外に出たイヴリンたちは、凄まじい数の人々が行き交う街の活気に圧倒されながら、それぞれに行動を始める。イヴリンはなんと“生まれて初めての仕事”に就き、グレアムは生涯ずっと気にかけていたある人物の行方を探す。七人の生き方に様々な変化が表われていくが、一方でソニーが情熱を注いだホテル閉鎖の危機が訪れようとしていた。