東京・銀座の地下にあるカウンター十席ほどの鮨店“すきやばし次郎”。ミシュランガイドブックでは、六年連続三ツ星の評価を受けるこの名店に魅せられたアメリカ人監督デーヴィッド・ゲルブが、八七歳になる店の主人・小野二郎に取材し、彼の生き方と哲学を題材に製作したドキュメンタリーで、デトロイト映画批評家協会賞などを受けている。
世界で最も高齢の三ツ星シェフの名を持つ小野二郎は、65年に開店した“すきやばし次郎”を日本一の名店にした現在もカウンターに立ち続ける。料理評論家・山本益博によれば、『何度訪れてもこれまで失望したことは一度もない』というその鮨は、シンプルであることを突き詰めた二郎独自の哲学と妥協なき努力によって生み出された極上の味だ。
二郎には二人の息子がおり、どちらも父に師事して一級の鮨職人となった。長男の禎一は本店で父と共にカウンターを仕切り、二男の隆士は六本木店の店主を任されている。どちらも偉大な師匠の背中を見て成長し、今もその技を吸収しようとしている。だが同時にそれはやがて来る世代交代の時のための準備でもあるのだ。二郎はそんな息子たちを誇りに思いながらも、まだ見ぬ夢の鮨を求めて日々果てない道を歩み続けている。
スタッフ・キャスト
[監督]デーヴィッド・ゲルブ
上映時間:1時間22分
配給:2011年アメリカ映画/トランスフォーマー配給
公開日:2月2日公開
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