太平洋を横断中の貨物船が嵐に遭遇。乗船していた少年パイは大海原にトラと共に放り出されてしまった! 果たしてパイは生き延びることができるのか? 少年がトラと海と格闘した日々を綴ったサバイバル・ストーリー。ブッカー賞受賞のヤン・マーテルの原作を3Dで映画化したのは「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督。出演は三〇〇〇人の中から選ばれた新星スラージ・シャルマ、「アメイジング・スパイダーマン」のイルファン・カーンら。
カナダのモントリオール。カナダ人ライター(レーフ・スポール)は一人のインド人に会うため彼の自宅を訪ねる。彼の名はパイ・パテル(カーン)。小説のネタを探していたライターがパイの叔父から甥っ子がヒントを与えてくれると言われ、会いに行ったのだ。こうしてパイは自分の人生を語り始める。1960年代のインド・ポンディシェリでパイは生まれ育った。本名であるピシン・モリトールから円周率を意味するパイに改名したこと。神の存在を知ったこと。そして、父が経営する動物園のベンガルトラとの恐怖体験。これらの経験はパイの人格を形成する糧となった。もちろん父と兄、そして息子を優しく見つめる母(タブー)も大きな影響を与えてくれた。
1976年。十六歳の立派な少年に成長したパイ(シャルマ)に変化が訪れる。父が動物をカナダにある施設に売り払い、カナダへ移住することを決めたのだ。ここで彼に大きな悲劇が訪れる。動物たちと乗り込んだ貨物船が太平洋を横断中に嵐に巻きこまれ、パイの家族を乗せた船は沈没してしまったのだ。運よく救命ボートに乗り、命だけは助かったパイ。嵐はすさまじく、一緒にボートに乗ったフランス人コック(ジェラール・ドパルデュー)は風に飛ばされ行方不明。そして彼の代わりにボートに乗り込んだのはシマウマ、ハイエナ、オランウータン、そしてリチャード・パーカーという名のトラ。
嵐が収まりひと息つきたいパイだがリチャード・パーカーが、鋭い目を向けていて休めない。もちろん三匹の動物たちはリチャード・パーカーにとっては獲物にすぎず命を落とした。ボートに残っていた救命道具と少ない食料を頼りに、毎日トラと命がけで格闘するパイ。その間、大自然の偉大さ、敵対するリチャード・パーカーの救助、謎に包まれた無人島での神秘的な出来事を経験する。時々、優しい母を思い出し悲しみに暮れる日も。その漂流期間は二二七日。
物語に聞き入っていたライターはある疑問を呈する。その言葉に耳を傾け、パイは秘密を明かす。その秘密こそが奇跡の物語の鍵なのだ。長い漂流生活の先に十六歳のパイが見た真実とは?
スタッフ・キャスト
[監督]アン・リー
[出演]スラージ・シャルマ、イルファン・カーン
上映時間:2時間7分
配給:2012年アメリカ映画/20世紀フォックス映画配給
公開日:1月25日公開
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