1979年11月に起きたイランのアメリカ大使館人質事件。世界を震撼させたこの事件の人質救出の顛末は謎に包まれたままだったが、十八年後のクリントン政権下で、機密扱い解除され、驚くべき真相が明らかになった。この事実を基に「ザ・タウン」のベン・アフレックが監督と主演を兼ねたサスペンス。他の出演者は「人生の特等席」のジョン・グッドマン、「ザ・マペッツ」のアラン・アーキン、ブライアン・クランストンら。共同製作にジョージ・クルーニーも参加。
カーター合衆国大統領時代の1979年11月。イランのアメリカ大使館が過激派に襲撃を受け、混乱の中、六人の職員が脱出しカナダ大使の私邸に逃げ込んだ。過激派は残る五二人の職員を人質にし、がん治療のため米国に入国した前国王の引き渡しを要求。職員名簿は直前にシュレッダーにかけられたものの、革命軍は子供を使ってこれを復元しようとしていた。身元が分かって拘束されれば逃げた六人は公開処刑されることに。米国務省はCIAに応援を要請し、人質奪還プロ、トニー・メンデス(アフレック)が任務を与えられる。
トニーの考え出した救出プランは、驚くべきものだった。それはでっち上げのハリウッド映画製作を企画し、六人をその映画のロケのためにテヘランに来たカナダ人クルーに仕立て上げて出国させるというもの。トニーは映画業界の知人、ジョン・チェンバース(グッドマン)と大物製作者レスター(アーキン)の力を借りて、イランでのロケに相応しいSF冒険映画『アルゴ』の脚本の権利を買い取る。マスコミを集めて製作会見も行ない、業界紙にも製作ニュースが載るほどの用意周到さで、トニーはいよいよイランに乗り込む。
製作補に扮したトニーは文化・イスラム指導省に赴き、撮影許可を申請してからカナダ大使館で六人と面会する。だが彼の作戦を誰もが『不可能』と反発。しかし選択の余地はなかった。翌日、指導省がロケハンを許可。バザールで担当者と面会せよと思わぬ指示が下る。怯えながらも彼らはそれぞれの役割になりきって反米運動真っ盛りの街中へロケハンに向かう。群衆に囲まれ、一時は生命の危機を感じた一行はこれを何とか乗り切る。
もはや一刻も早く国外へ出なくては。六人が出国の練習を繰り返す中、トニーに上司のオドネル(クランストン)から耳を疑う指令が届く。『計画を中止して帰国せよ』この時期になって軍による五二人の人質救出作戦が決定し、航空券がキャンセルされ、ハリウッドの事務所も閉鎖されたのだ。だがこのままでは残る六人は見殺しになってしまうかもしれない。トニーは意を決して、作戦決行の宣言を本国に伝える。果たして一度取り消された作戦は復活されるのか? トニーと六人はわずかな望みを賭けて空港へ向かう。
スタッフ・キャスト
[監督]ベン・アフレック
[出演]ベン・アフレック、ジョン・グッドマン
上映時間:2時間
配給:2012年アメリカ映画/ワーナー映画配給
公開日:10月26日公開
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