精神分析の基礎を確立したユングとフロイトという二人の心理学者と、その患者であった女性ザビーナとの歴史的事実を基に、「つぐない」のクリストファー・ハンプトンが自らの戯曲を脚色、「イースタン・プロミス」のデーヴィッド・クローネンバーグが監督したドラマ。ユングには「プロメテウス」のマイケル・ファスベンダー、フロイトには「善き人」のヴィゴー・モーテンセンが扮し、ザビーナを「恋と愛の測り方」のキーラ・ナイトリーが演じている。
1904年、スイスのチューリッヒにある病院に勤める精神科医ユング(ファスベンダー)は、激しいヒステリー症状を見せるザビーナ(キーラ)という患者を担当することになった。精神分析学の創始者フロイト(モーテンセン)を信奉するユングは、フロイトの提唱する談話療法をザビーナに試み、劇的に症状を改善させ、彼女の幼少時の性的トラウマの発見にも成功する。医師を志していたザビーナは回復後に大学で精神医学の道に進み、ユングとも医師と患者以上の親密な関係を築いていく。
1906年、ユングはウィーンに初めてフロイトを訪ね、意気投合した二人は親子にも似た師弟関係を芽生えさせた。その後、ユングはフロイトの依頼でオットー(ヴァンサン・カセル)という男を診察する。精神分析医でありながら薬物に溺れる快楽主義者のオットーは、ユングに『快楽を拒むな』という言葉を残して姿を消した。意を決したユングは、妻子がありながら、かねてから心を奪われていたザビーナとついに一線を越えて愛を交わす。しばらくは幸福な二人の時が続くが、やがてユングは良心の呵責に耐え切れず彼女に別れを切り出す。フロイトとの間にも、理論的対立から亀裂が広がりつつあった。
スタッフ・キャスト
[監督]デーヴィッド・クローネンバーグ
[出演]マイケル・ファスベンダー、キーラ・ナイトリー
上映時間:1時間39分
配給:2011年英=独=カナダ=スイス映画/ブロードメディア・スタジオ配給
公開日:10月27日公開
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