俳優のパディー・コンシダインの長編監督デビュー作。サンダンス映画祭で監督賞などを受賞。出演は「戦火の馬」のピーター・ミュラン、オリヴィア・コールマン、エディー・マーサンら。
失業中でやもめのジョセフ（ミュラン）はキレやすい上に感情をコントロールできず、愛犬を蹴り殺してしまうような男。そんな彼がある日、酒でいざこざを起こしてチャリティーショップに駆け込む。そこで働く信心深い女性ハンナ（オリヴィア）は天使のような優しさで失意のどん底のジョセフに接し、ジョセフは反抗的な態度を示すもののそれ以来、毎日のように彼女の店に顔を出すように。
自暴自棄なジョセフはハンナのことを裕福で満ち足りた主婦とみなしていたが、実はハンナにも夫ジェームズ（マーサン）との間に他人には言えない闇を抱えていた。普段は敬虔な信者のジェームズは嫉妬深く、日常的にハンナに暴力をふるっていたのだ。苦しさから酒に逃げ込んでいくハンナ。ハンナとの交流の中で、次第に彼女の苦悩を知っていくジョセフ。やがて二つの顔を持つ夫に耐え切れず、ハンナはついに家を出る決心をしてジョセフの元に一時的に厄介になる。だがその後、ハンナとジョセフの人生に衝撃をもたらすような出来事が起きてしまう。