世界最初の推理小説作家といわれるエドガー・アラン・ポーの死の直前の五日間に、彼の小説をなぞった連続殺人事件が起こるというミステリー。ポーに扮するのは「シャンハイ」のジョン・キューザックで、他に「三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船」のルーク・エヴァンズ、「メン・イン・ブラック3」のアリス・イヴ、ブレンダン・グリースンらの共演。「Vフォー・ヴェンデッタ」のジェームズ・マクティーグが監督にあたっている。
1849年のアメリカ、ボルチモア。母娘の殺人事件が起こり、現場に急行したフィールズ刑事(エヴァンズ)は凄惨な現場を目にする。その殺害方法も密室トリックも、その地に住む高名な作家ポー(キューザック)の作品『モルグ街の殺人』にそっくりだった。酒浸りで生活も困窮しているポーは容疑者と目されるが、同じようにポーの作品を模倣した第二の殺人が起こったため、ポーはアリバイが成立し、逆に警察に協力して犯人を追うことになる。
ポーには恋人エミリー(アリス)がいたが、町の名士である彼女の父親チャールズ(グリースン)はポーを軽蔑し、娘に近寄らないようポーに警告する。だがエミリーはポーを訪ね、自分の誕生日に父が開こうとしている仮面舞踏会で正式にプロポーズして欲しいと告げる。大勢の招待客の前なら父も結婚を許してくれるのではないかという思いからだった。
第二の殺人の被害者はポーの天敵ともいうべき文芸評論家グリズウォルドだった。『落し穴と振り子』を模して、木の台座に縛られたまま巨大な刃の振り子によって胴体が真っ二つに切り裂かれており、『仮面舞踏会に死がやって来る』というメモが残されていた。
フィールズとポーはチャールズに舞踏会の中止を申し入れるが聞き入れられず、当日は舞踏会の会場に多数の警官が張り込んだ。だが『赤き死の仮面』をなぞったように髑髏の仮面の死装束の騎士が舞踏会に乱入、その騒ぎの間にエミリーが誘拐されてしまう。騎士は単に雇われただけの男で殺人犯ではなく、その手にはポーに向けた『ポーが連続殺人の偉業を新聞に書けば、今後の殺人ではエミリーの居場所のヒントを与える』という真犯人からのメッセージがあった。
ポーはやむなく新聞に原稿を書いた。その後、『マリー・ロジェの謎』を模倣した第三の殺人、『アモンティリャードの酒樽』などを参考にした第四の殺人が起こる。ポーに挑戦状を突きつけた模倣殺人犯の目的は何なのか。エミリーを救うため、ポーは必死になって現場に残されたトリックや犯人からのメッセージを解読する。果たしてポーは無事にエミリーを救出できるのだろうか。そして史上に名高いポーの死の秘密とは?
スタッフ・キャスト
[監督]ジェームズ・マクティーグ
[出演]ジョン・キューザック、ルーク・エヴァンズ
上映時間:1時間50分
配給:2012年アメリカ映画/ウォルト・ディズニー・スタジオ配給
公開日:10月12日公開
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