昨年、死去したチリ出身のラウル・ルイス監督が、一人の青年と彼を取り巻く人々の愛と運命を豪華絢爛のセットと衣装で綴る四時間半の大作。出演はアドリアヌ・ルーシュ、マリア・ジュアン・バストゥシュらポルトガルの実力派や、ゲスト出演のメルヴィル・プポーやレア・セドゥーらフランス人気俳優が集う。
十九世紀前半のポルトガル。ディニス神父（ルーシュ）の修道院で育った少年ジョアンは、ひょんなことから実母アンジェラ（マリア）と出会う。なぜ自分は修道院へ送られたのか？　と尋ねると母からジョアンの実父との禁断の愛と別れを聞かされる。一方、清廉潔白に思えるディニス神父にも秘められた過去があった。ディニス神父の出生、愛する人を手に入れるための罪……
やがて、大人に成長したジョアンはペドロ（アフンス・ピメンテウ）と名を変え、フランスで新しい生活を送る。彼は未亡人エリーズに恋をするが、彼女の心は大富豪アルベルトに向いていた。エリーズのためアルベルトに決闘を申し込むペドロだが、彼から意外な事実が明かされる。それぞれの秘密と過去が明らかになり、ディニス神父、アンジェラ、ジョアン、アルベルトらの運命の糸が、実は深くつながっていることが発覚する。