人気作家、乃南アサの直木賞受賞作を韓国で映画化。大都会を疾走し咬殺をくり返す謎の狼を追う刑事コンビの姿を、人間ドラマを交えて描くクライム・サスペンス。出演は「グエムル／漢江の怪物」のソン・ガンホ、「悲夢」のイ・ナヨンら。監督は「マルチュク青春通り」のユ・ハ。
ソウルの街角で発見された焼死体。捜査に当たったのはサエない中年刑事サンギル（ソン）。何度も昇進を逃し出世レースから脱落した彼は、色気も愛嬌もないバツイチの新米女性刑事ウニョン（ナヨン）とコンビを組まされ不満顔。ところが捜査を続けるうち、被害者は未成年の少女を麻薬漬けにして働かせていた卑劣な犯罪者であったことが判明。しかも死体にはなぜか獣に咬まれた跡があった。
数日後、新たな咬殺事件が発生。またも被害者は、麻薬と未成年売春の前科を持つ男だった。現場に落ちていた動物の毛を分析した結果、狼のものであることが判明。そんな中、元大物ヤクザが容疑者として浮上するが、アジトへの手入れのさなか巨大な狼が現われ、疾風のようにヤクザの元情婦を咬み殺して逃走する。
その際に大ケガを負ったウニョンだが、病院を抜け出し捜査を続行。その姿に心を動かされていくサンギル。やがて彼らは恐ろしくも悲しい真相を突き止める。