分断国家・朝鮮の南北を自在に行き来する謎の男の行動を描くアクション・サスペンス。韓国映画界の鬼才キム・ギドクが脚本と製作総指揮を担当し、これが長編二作目となる新人チョン・ジェホンが監督にあたった。主演は歌手としても活躍していたユン・ゲサンで、「美人図」のキム・ギュリが共演している。
北朝鮮のタバコ?豊山犬（プンサンケ）?を吸うことからその名で呼ばれる男（ユン）は、三八度線を越えてソウルとピョンヤンを自由に行き来し、頼まれた品物を三時間以内に依頼者に届けるのを仕事にしていた。彼が運ぶのは離散家族の手紙やビデオメッセージ。ある時、亡命した北朝鮮高官の愛人イノク（ギュリ）を連れてくるよう依頼された男は、いつものように無言でイノクを連れ出し、依頼者に渡した。だが依頼したのは実は韓国の諜報員で、プンサンケは彼らに拉致されてしまう。