「ゴッドファーザー」のフランシス・フォード・コッポラ監督が、エドガー・アラン・ポーの世界に影響を受け、製作・演出・脚本の三役を兼ねたゴシック・ミステリー。出演はヴァル・キルマー、エル・ファニング、ブルース・ダーン、ベン・チャップリン、ジョアン・ホウェリーら。
次回作の執筆に悩む小説家のホール（キルマー）はサイン会のため、あるひなびた田舎町へ来た。かつてエドガー・アラン・ポーが宿泊したホテルがあるというこの町では、数日前に胸に杭を打たれた身元不明の少女の死体が発見されたばかり。ホールはミステリー好きの保安官ボビー（ダーン）に死体を見せられ、『これを基に一緒に小説を書かないか』と提案される。
その夜ホールは夢の中でＶ.と名乗る少女（エル）に出会う。さらには敬愛する作家ポー（チャップリン）とも。二人に導かれるようにホテルで起きた陰惨な事件のことを知るホール。目覚めた彼は、やがて保安官と共に事件に隠された謎を解き始める。するとホールは、十二人の子供たちがある牧師の犠牲になった奇妙な事件に突き当たる。現在起きた少女殺害事件と、その昔起きた十二人の子供の事件はどう繋がるのか。Ｖ.にインスパイアを受けヴァンパイアの小説を書き出すホールは、記憶の底に閉じ込めた自らの過去と向き合いながら、この町の一連の血なまぐさい事件の結末を知ることになる。