「いのちの食べかた」のニコラウス・ゲイハルター監督のドキュメンタリー。デジタル上映。“夜に活動する人々”に注目し、ヨーロッパ十か国で撮影。闇に包まれる夜も都市では煌々と明かりが灯るのが当然の現代社会。その裏側ではどんな人々がその生活を支えているのだろうか。
スロバキアの国境警備隊は犯罪者や不法入国者に監視の目を光らせている。ローマではロマ(ジプシー)たちがキャンプ地から強制退去させられている。グラーツでは新生児病棟で医師が赤ん坊を見守っている。ブリュッセルでは議員や同時通訳が夜を徹しての会議を行なっている。ミュンヘンでは毎年六五〇万人が訪れるという“ビール祭り”に調理師やホール係がてんてこ舞いだ。
また世界一の監視都市ロンドンでは警備会社の監視員がモニターとにらめっこ。英国はテレビ局も郵便局も組立工場もフル稼働だ。バチカンではローマ教皇や司祭もミサで大忙し。ドイツの各都市では訓練所の警察官、老人ホームの介護職員、火葬場職員らの姿が映し出され、ほかにもチェコの売春宿、ウィーン空港、アーネムのDJなどが紹介される。観客が作り手の説明だけで納得しないように、ナレーションや音楽は排除されている。
スタッフ・キャスト
[監督]ニコラウス・ゲイハルター
上映時間:1時間34分
配給:2011年オーストリア映画/エスパース・サロウ配給
公開日:7月28日公開
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