イギリスの小さな農村。そこで誕生した一頭の美しい仔馬はジョーイと名づけられ、農家の少年と心を通わせる。しかし時は第一次大戦下。少年と引き離され、軍馬として戦場に送られたジョーイは、様々な人間たちとの出会いと別れを繰り返していく。ジョーイの澄んだまなざしに映るのは、人々の運命を翻弄する戦争という悲劇、そして希望を信じて立ち上がる人々のひたむきな姿だった。
1982年に発表されたマイケル・モーパーゴの小説『ウォー・ホース(戦火の馬)』を映画化した感動のヒューマン・ドラマ。第一次大戦の戦場に送られた“奇跡の馬”と人々の心の交流を壮大なスケールで描く。本年度アカデミー賞で作品賞など6部門にノミネート。
監督は「タンタンの冒険」のスティーヴン・スピルバーグ。2010年、ロンドンで上演されていた舞台『ウォー・ホース』に感銘を受けた監督はすぐに映画化を決意し、脚本家リチャード・カーティス(「ラブ・アクチュアリー」)とリー・ホール(「リトル・ダンサー」)とともにストーリーを練り上げていった。
第一次大戦前夜のイギリス。小さな村の牧場で、一頭の鹿毛の仔馬が誕生した。サラブレッドの血をひく仔馬の美しさと強靭な体躯は、村の少年を一目で魅了する。やがてセリに出された仔馬は、農耕馬を買いに来ていた農夫テッド(ミュラン)の目にとまり、30ギニーもの高値で購入される。明らかに農耕馬には向かないその馬を見て農夫の妻ローズ(エミリー)は眉をひそめるが、息子のアルバート(アーヴァイン)は目を輝かせる。彼こそはじめに馬を見初めた少年だった。
少年は仔馬にジョーイと名づけ、それから片時も離れることなく、深い愛情を注いでいく。生活に困窮したテッドが、荒地を耕すことのできないジョーイを処分しようとしたときも、身を挺してジョーイを守ったのはアルバートだった。『ジョーイを農耕馬に鍛える』と宣言したアルバートは、嫌がるジョーイに農具をつけ、心を鬼にしてムチを振るい、村の笑い者になりながらも、最後には荒地を実り豊かな農場にしてみせる。ジョーイの傷を優しく手当するアルバートを見て、テッドは自分の行為を恥じた。
だが忍び寄る戦争の影は、アルバートとジョーイのかけがえのない絆を引き裂こうとしていた。
スタッフ・キャスト
[監督]スティーヴン・スピルバーグ
[出演]ジェレミー・アーヴァイン、エミリー・ワトスン
上映時間:2時間27分
配給:2011年アメリカ映画/ウォルト・ディズニー・スタジオ配給
公開日:3月2日公開
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