アルゼンチンの新鋭ダニエル・ブスタマンテ監督が、１９７７年の軍事政権下のサンタ・フェを舞台に描いたある家族の物語。主演の子役は新人のコンラッド・ヴァレンスエラで、「オフィシャル・ストーリー」などの名女優ノルマ・アレアンドロが祖母オルガに扮している。
アルゼンチン北東部の州都サンタ・フェ。事故で母を亡くした八歳のアンドレスは、兄アルマンドと共に祖母オルガと父ラウルの住む家に越してきた。貧しくとも母の愛情に包まれて育ったアンドレスにとって、怒りっぽい父と自分のルールを押しつけようとする祖母との暮しは、自分の居場所がなくなる思いだった。
その地区には反体制派を一掃しようとする情報局の拠点があった。オルガたちは反体制派の情報を情報局側に流し、自分たちの安全を守っていたのだ。情報局の中心人物セバスチャンは、遊びやサッカーを通して子供たちに近づいて来る。