余命わずかな父親と自閉症のひとり息子の情愛を描くシュエ・シャオルー監督作品。脚本を読んで感動し、ノーギャラで出演を快諾したアクション・スター、ジェット・リーが父親役を静かに好演。ほかにウェン・ジャン、グイ・ルンメイ、ジュー・ユアンユアンらが共演。
中国のチンタオに暮らすシンチョン（リー）はがんのため余命わずかと知り、21歳で自閉症の息子ターフー（ウェン）の将来を案じていた。母を亡くし、目の離せないターフーは、シンチョンの勤める水族館で父が清掃の仕事をしている間、水槽の中を泳ぐのが日課。シンチョンは自分がいなくなった時のために、一人で生きて行く術を一つずつ教え込もうとし、成人した自閉症患者を預かってくれる施設を探し回る。近所に住む独身女性チャイ（ユアンユアン）は親子の面倒をよく見てくれるが、シンチョンはそんな彼女にも本当のことは話せずにいた。だがシンチョンの留守中に主治医が訪ねてきたことで、チャイは彼の病気と親子心中を図ろうとしたことも知ってしまう。