「抱きたいカンケイ」のナタリー・ポートマンが本年度のアカデミー賞主演女優賞を受賞した話題作。「レスラー」の監督、ダーレン・アロノフスキーが長年温めてきた企画で、プリマに選ばれた若きバレリーナの極限的心理状態をサイコティックに描く。ナタリーは役作りのために撮影前十か月をバレエの特訓に当てたという。共演には「ザ・ウォーカー」のミラ・クニス、「イースタン・プロミス」のヴァンサン・カセル、「ワールド・アパート」のバーバラ・ハーシー、「僕が結婚を決めたワケ」のウィノーナ・ライダーら。撮影を「アイアンマン」のマシュー・リバティークが、音楽を「月に囚われた男」のクリント・マンセルが担当している。
　ニューヨーク・シティ・バレエ団の芸術監督ルロイ（カセル）は、長年このバレエ団の象徴的存在だったプリマ、ベス（ウィノーナ）の年齢的限界を感じ、次のシーズンのオープニングを飾る『白鳥の湖』には、新しいプリマをと考えていた。そこで実施されたオーディションには、次のプリマと嘱望されている候補者の一人、ニナ（ナタリー）の姿もあった。夢のプリマが演じられるかも知れないと考えるとニナの気持は昂ぶりをおさえられない。発表された新プリマは、なんとニナだった。喜びもつかの間、ニナは自分にない素養を求めてあがくようなレッスンを繰り返す。