「ノーカントリー」のジョエル＆イーサン・コーエン兄弟が製作・監督・脚本を務めた不条理コメディー。理由もなく次々と不幸に見舞われる男の最悪の2週間を描く。出演はニューヨークの演劇界を中心に活躍するマイケル・スタールバーグ、ＴＶ「スピン・シティ」のリチャード・カインドら。2010年のアカデミー賞作品賞候補。
　1967年のアメリカ中西部。
郊外で暮らす大学の物理学教師ラリー（スタールバーグ）は平凡を絵に描いたような男。だがこのところ彼の家庭内では問題が頻発していた。家に居候している無職の兄アーサー（カインド）は独立する気がまるでなく、息子のダニーは何かに怯えている様子。そしてラリーにとって最大の問題は、長年連れ添った妻から突然別れを切り出されたことだった。しかも再婚を考えている相手はラリーの友人だという。負の連鎖はまだ続いた。大学にはラリーを中傷する投書が届き、妻には家を追い出され、こつこつ貯めた貯金まですべて失うハメになってしまう。