イサム・ノグチ、日本人の父とアメリカ人の母を持つ天才的彫刻家──彼の名前や大雑把な肩書きを知っていても、その母レオニー・ギルモアがどんな人物だったのか、どうやってイサムを育てたのかを知る人は少ないのでは。その知られざるアメリカ人の母の波乱の生涯にスポットを当てた日米合作映画で製作・監督・脚本は『ユキエ』『折り梅』で知られる松井久子。ドウス昌代・著の「イサム・ノグチ〜宿命の越境者」を基に、十四回の推敲を重ね、完成まで七年をかけた意欲作。
主人公レオニーを演じるのは『Dearフランキー』『マッチポイント』『ピンクパンサー』などで知られる演技派イギリス女優エミリー・モーティマー。共演には日本から中村獅童、原田美枝子、竹下景子、柏原崇、勅使河原三郎、吉行和子、中村雅俊、大地康雄らが参加。
1901年。フィラデルフィアの女子大ブリンマーを卒業したレオニー・ギルモアは、ニューヨークに渡り、編集者を夢見ていた。そんな彼女が出合ったのは日本から来た青年詩人ヨネ・ノグチ(野口米次郎)。彼の才能を見込んだレオニーはヨネとの共同作業を続けるうちに愛情で結ばれ、ついに彼女は妊娠するが、ヨネはそれを喜びで迎えることはなく、レオニーとお腹の子を残すように帰国してしまう。それでも自らの愛の証である子供を出産したレオニーは、しばらく母親の住むカリフォーニアで生まれた息子と共に暮らしていたが、ヨネからの日本への誘いの手紙も来ていたことから、レオニーは息子を連れて、言葉も分からない異国、日本へ旅立つ決意をする。
スタッフ・キャスト
[監督]松井久子
[出演]エミリー・モーティマー、中村獅童
上映時間:132分
配給:2010日=米/角川映画
公開日:2010年11月20日
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