最高賞パルムドールを狙うコンペティション部門にエントリーされた唯一の日本映画である「海街diary」が、トップを飾って正式上映された。これは鎌倉を舞台に、三姉妹と異母妹が育んでいく家族の絆を、柔らかな光の中でとらえていったファミリー・ピクチャー。
一昨年に「そして父になる」で審査員賞を受賞した是枝裕和監督はもちろん、四姉妹を演じた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、それに広瀬すずも出席。あのレッドカーペットをにこやかに歩いた。綾瀬はるかはディオール、長澤まさみはステラ・マッカートニー、夏帆はイヴ・サンローラン、そして広瀬すずはオリジナルのそれぞれドレスを身にまとってのカンヌ・デビューである。
『カンヌは映画好きな人たちが多く集まるところで、その熱気にあてられちゃいました。今は海風がとても気持ちいいです』と綾瀬はるかはいつもの自然体。一方、長澤まさみは昨年、ジョン・ウー監督作「太平輪」の製作発表会でカンヌに来ているので、今回は二度目。『昨年と違って多くの人から拍手をいただいてうれしい。映画祭の熱気から勇気をもらって、これからも頑張ろうって。いろんな人たちと触れ合いたい』。夏帆は『カンヌって特別なところ。みんなとても楽しそう。世界を知る機会がいっぱいあるわね』。そして広瀬すずは『海外はこれが二度目だけど、カンヌは初めて。映画の街って感じ。海外の人たちに自分の出た映画を見てもらえるなんて幸せです。今度は大人の女優となって来たい』と夢と期待を膨らます。
最後に是枝監督は『この「海街diary」は僕にとってとても大好きな映画。観客の反応もとても良くて、手ごたえを感じました。それに四人の女優を連れて来られて大満足です』と語っていた。
レポート:岡田光由
写真は左から広瀬すず、長澤まさみ、綾瀬はるか、夏帆、是枝監督
Photo by Mitsuyoshi Okada