【A】2.ケビン・コスナー
スターには意外なデビュー作というのが付きもの。
ケビン・コスナーの場合は、ケビン・クライン、ウィリアム・ハート、グレン・クローズという当時の若手実力派たちが集結したローレンス・カスダンの群像劇「再会の時」('83年)で、勢い良くメジャーデビューを飾る、はずだった。
彼は仲間の一人、アレックス役で回想シーンに登場するはずだったが、カスダンの判断でカットされてしまった。
その代わりと言っちゃあなんですが、ケビンは映画の冒頭で死体役を好演。
つまり、当然の如くセリフなしというトホホ。
お詫びの印に、カスダンはその後「シルバラード」('85年)の主役をケビンにプレゼントして借りを返したという、不運だが幸運に着地したスターのデビューにまつわるエピソードでした。
やきもきしたデビューも幸運に。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)