【A】1. イエス。
黄金期のハリウッドを代表する超大作「風と共に去りぬ」('39年)だが、プロデューサーのデビッド・O・セルズニックは焦りまくっていた。
ヒロイン、スカーレットを演じる女優がクランクインしているのに見つからなかったのだ。
キャサリン・ヘプバーンもダメ、ベティ・デイビスもダメ……仕方なく、セルズニックは映画の前半の見せ場であるアトランタ炎上シーンの撮影を、主演女優未定のまま決行する。
その時、恋人のローレンス・オリビエと共に炎上シーンを見学に来ていたヴィヴィアン・リーが、セルズニックの目に留まり、遂に世紀のスカーレット女優が誕生した、というのが通説だが、実際には炎上シーンよりも前に、オリビエのエージェントがリーをセルズニックに紹介済みだったというのが事実らしい。
炎に照らされたヴィヴィアン・リーの顔が、スカーレットそのものだった!という方がドラマチックですけどネ。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)