【A】『Nobody's perfect』(誰も完璧じゃないよ)
「お熱いのがお好き」('59年)の舞台は1930年代のシカゴ。ギャングの目を眩ますために女装して女性バンドに紛れ込んだミュージシャンのジャック・レモンとトニー・カーティス。自分が男だと知らずに想いを寄せているジョー・E・ブラウンの大富豪の前でカツラをとって性別を明かすレモンに対し、ブラウンは平然と言い放つ。『Nobody's perfect』 (誰も完璧じゃないよ)。確かに(笑)。これ、ラストシーンを見事に締める名ゼリフとして、アメリカ映画協会が選出した"映画史に残る名ゼリフ"の48位に堂々ランクイン。ちなみに、第1位は「風と共に去りぬ」のラストでレット・バトラーのクラーク・ゲーブルがスカーレットに対して言い放つ『Frankly, my dear, I don't give a damn』(俺には関係ない!)です、念のため。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)