ディズニー/ピクサーの最新作『メリダとおそろしの森』の新しい写真が公開となった。
『メリダとおそろしの森』は、「カールじいさんの空飛ぶ家」「トイ
・ストーリー3」などのヒット作を世に送り出してきたピクサーが、
スコットランドを舞台に王女メリダの冒険を描いた感動のファンタジ
ー・アドベンチャー。
今回ディズニー/ピクサーは、本作の主人公である王女メリダを象徴する<ボリュームたっぷりのカーリーヘア>において、新技術への挑戦を試みている。
今回チャレンジした<ボリュームたっぷりのカーリーヘア>は、リアルに描こうとするとアニメーションとは伝統的に相容れないとされていた。
それはストレートヘアと違い、くるくるにカールした髪にボリューム感を表す必要があり、今回開発されたカールアイロンのプログラムは、本物のアイロンを当てるように様々な大きさのカールが作れるプログラムで、これを使って、髪と髪との接点・重力・風の影響など様々なシミュレーションをしながら手作業でひとつひとつカールを作っていく。
こうして出来上がったカールを維持しつつ、自然な軽い動きをつけるために、さらに数か月かけてプログラムを作るという気の遠くなるような作業をおこなった。
しかもメリダは自由奔放で活発な “おてんばヒロイン”。
愛馬アンガスにまたがって森を走り、武勇に優れた父・ファーガス王と剣を交え、弓に至っては王国きって名手という型破りさ。
その王女らしからぬ振る舞いは、母であるエリノア王妃だけでなく、ピクサーのシミュレーション部門をも大いに悩ませた。
この部門でスーパーバイザーを務めるクローディア・チャンは「メリダの髪はものすごい偉業となりました。美術部門はメリダの髪について、やり過ぎのデザインをしていると私はずーっと思っていました(笑)」と明るく振り返る。
こうしてメリダの髪を仕上げるのに、3年の月日が費やされた。
ピクサーは通常3,4年の制作期間をかけるのだが、『メリダとおそろしの森』の制作に関しては実に6年の年月が費やされたことになる。
製作総指揮を務めたジョン・ラセターは「この映画を観る人は、服や髪のことを考えながら観るわけではありません、私たちの行う作業はどれもストーリーをサポートするためのものです。この映画を作り上げるためにピクサーのアーティストたちが成し遂げたあらゆる驚異的な技術は観客の目にはとまらないものばかりです。しかし、それらの技術がなかったら、観客は違和感を覚えてしまうでしょう。我々はストーリーをサポートするためのテクノロジーを長い年月かけて開発し、観客は映像の美しさを純粋に楽しんでもらえればそれでいいのです。それがピクサー作品の証です。」
と、全てはリアルで説得力のある作品を作り上げるためだと説明する。
ピクサースタジオ全体が、“新技術へのチャレンジも全てはストーリーのため”という高い目標を持ち、6年もの歳月をかけて作られた『メリダとおそろしの森』は7月21日(土)より公開。
公式サイト