【A】離婚届
「ローズマリーの赤ちゃん」('68年)を撮影中、ミア・ファローは30歳年上の夫、フランク・シナトラの庇護の下にいた。嫉妬深いシナトラはミアが自分の側を離れて新人監督、ロマン・ポランスキーの現場に入り浸りなのが気に入らず、当時のパラマウントの製作部門のトップ、ロバート・エバンスを脅迫して来たが、すでにミアはポランスキー・マジックにかかって、リッチなハウスワイフより演技派女優の方に心がシフトしていた。それを察知したシナトラは現場に離婚届を送付して、とりあえず面目を保った。シナトラとの離婚が成立した2年後、ミアは世界的な指揮者、アンドレ・ブレヴィンとあっさり再婚。その後、天才ウッディ・アレンの公私に渡るパートナーとして、アレンが養女に手を出すまで蜜月を続けている。つまり、ミア・ファローはハリウッド史上最強の"大物食い"なのだ。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)