【A】舌を入れた。
「ドクトル・ジバゴ」('65年)でジュリー・クリスティはヒロイン、ラーラを、ロッド・スタイガーは彼女の愛人で弁護士のコマロフスキーを演じているのだが、即興演技の達人として知られるスタイガーは随所でシナリオに書かれていないことをやらかして、クリスティを戸惑わせた。
その最たるものがキスシーンで舌を入れるという暴挙。
さすがのオスカー女優もこれには引きまくったが、他にも喧嘩のシーンで突然平手打ちを喰らわすなど、スタイガーの暴走を監督のデヴィッド・リーンすら止められなかったという。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)