【A】バート・レイノルズ
「愛と追憶の日々」('83年)の主人公、オーロラの前に登場する風変わりでセクシーな元宇宙飛行士、ギャレット。このキャラクターは原作には存在せず、映画の監督で脚色も担当したジェームズ・L・ブルックスが、当時人気絶頂だったアクション・スター、バート・レイノルズを念頭に置いて新たに書き加えたのだった。
当然、ブルックスはレイノルズに出演を打診するが、タッチの差でレイノルズはスタントマン出身の監督で盟友のハル・ニーダムがメガホンを執ったB級アクション「ストローカーエース」('83年)への出演を決めていて、異色のコラボは実現しなかった。
だが、もし、レイノルズがギャレットを演じていたら、彼の俳優としての運命も、また、ギャレット役でアカデミー助演男優賞に輝いたジャック・ニコルソンの運命も、変わっていたに違いない、と思ったりして。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)