【A】エイリアンがリプリーの首を食いちぎって、リプリーの声で地球にメッセージを送る!
当初、リドリー・スコットはもっとショッキングでダークなエンディングを用意していた。それが、エイリアンがリプリーの首を食いちぎり、リプリーに成りすまして地球と交信するというもの。
スコットからそのアイディアを聞いた20世紀フォックスの首脳陣は、あまりに暗すぎるという理由で却下。採用されたのはエイリアンを宇宙船の外に追い出したリプリーが、地球に報告するという無難な幕切れだった。しかし、映画はヒットしてその後シリーズ化され、エイリアンの同族がしつこく登場するという設定が繰り返されるわけだから、どうせなら1作目の締めをスコットの案通りにした方が、話を続けやすかったような気もする。まあ、結果論ですが。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)