【A】酒を飲ませた。
優等生で父親の愛を一身に浴びる兄、アロン(リチャード・ダヴァロス)と比べて、伏し目がちにしか相手を見ることが出来ない次男坊、キャルを演じる上で、必要以上にナーバスになっていたジェームズ・ディーンに対し、監督のエリア・カザンは秘策を思いつく。
キャルが密かに想いを寄せる兄の恋人、アブラ(ジュリー・ハリス)と初めて屋根の上で語り合うシーンで、カザンはジミーに酒を少しあおることを提案。結果、キャルが恥じらいながらもアブラへの気持ちを伝えようとする様子を、ジミーは自然に演じることが出来た。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)