12月23日(金・祝)公開映画『運命の子』のチェン・カイコー監督が来日、都内のホテルで記者会見を行った。
本作は司馬遷の「史記」にも描かれ、京劇としても人気の高い「趙氏孤児」を現代にも通じる普遍的な人間ドラマとして描いた感動作。日本公開について「とても嬉しく思っております。この30年で中国経済はとても発展しましたが、文化面ではどうなのか、今の若い人たちはどれだけ中国の歴史を理解しているのかということに興味があり、長年語り継がれるこの作品を映画化しました。」と語った。
本作の中で孤児の悲運の母親役を演じ、先週東京国際映画祭の審査員として来日していたファン・ビンビンへ撮影の際「力いっぱい演じるな、静かに演じてほしい。その静けさの中にこそ力強さがあるんだ」と話したそう。彼女はその通りに見事な演技を披露してくれている。また、初めて仕事をしたというホワン・シャオミンについては「とても誠実で素朴な飾らない役者」と評価。しかし男として美しすぎるということから、今回はあえて顔に傷をつけた、と撮影を振り返った。
監督は監督は1984年の初来日以来100回以上日本を訪れている親日家。東日本大震災についても触れ「日本に災難が起きた時は驚いたし、その時の日本人が非常に冷静さを失わなかったことに深く感動しました。日本の友人たちも震災直後に国の一大事だからと帰国したことにも感動しました。中国と日本は人と人との理解が一番大事なんだと思います。だからこそ中国人と日本人が色々な文化を通して、そして映画を通してお互いの文化を理解することはとても大切だと思っています。」と今後の日中関係についても語ってくれた。