【A】
3.風
アルプス山脈の俯瞰から始まり、徐々にザルツブルグの小高い丘にカメラが降りていくと、そこに尼僧姿のマニアが颯爽と登場してテーマソングを歌い始めるという、マニア垂涎のオープニング・シーンには、意外な苦労話が隠されていた。
つい最近、ジュリー・アンドリュースがメディアに明かしたところによると、カメラマンが乗り込んだヘリコプターが頭上スレスレまで降下して来るため、ヘリの突風に吹き飛ばされないよう立っているのが一番大変だったとか。それも、監督のロバート・ワイズが納得せず、何度も撮り直したため、アンドリュースは風に晒されてすっかり干からびてしまったとか。ご苦労さまでした。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)