【A】鑑賞に堪えうる下半身じゃなかったから。
帝政ローマ時代に奴隷から英雄になった青年の武勇とキリストの奇跡を綴ったハリウッド映画史に残るスペクタクル巨編「ベン・ハー」('59年)。
主人公は当然のことながら当時の男性の常備服であるスカートを履くことになり、当時、まだ華奢だったポール・ニューマンは自分の下半身をスクリーンに晒す勇気がなかった。
ニューマンの決断は正しかった。結果的に役をゲットしたチャールトン・ヘストンの肉体美が映画の見せ場の一つになっていたからだ。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)