【A】2. ノー。
アメリカン・ニューシネマの代表的作品「卒業」('67年)は、フォーク・デュオ、サイモン&ガーファンクルを世界的にブレイクさせたことでも意味がある。
彼らが歌う主題歌『サウンド・オブ・サイレンス』が、実はすでに発表済みの楽曲だったことが判明した時は、みんなビックリしたものだ。なにせ、メロディがあまりに映画にマッチしていたから。
そして、アン・バンクロフトが演じた母親の名前が付いた『ミセス・ロビンソン』も、意外や映画のためのオリジナルではなかった。元々は『ミセス・ルーズベルト』(大統領夫人のエレノア)だったものを、監督の指示でポール・サイモンが歌詞を書き替え、映画用に再利用したのだった。今じゃあ、『ミセス・ロビンソン』は『サウンド・オブ・サイレンス』以上に「卒業」のテーマソングとして定着しているけれど。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)