【A】相手役のオードリー・ヘプバーンと年齢が違いすぎるから。
当時、グラントは53歳、オードリーは28歳。でも、グラントの後、フラナガン役に決まったゲーリー・クーパーはグラントより3歳年上だった。画面上でも2人の年齢差は明らかで、それが作品の足を引っ張ったという批評もあった程。
後に、ケーリー・グラントは「シャレード」('63年)でオードリーと初共演を果たすのだが、その際も彼は脚本家のピーター・ストーンに注文を付けた。当初、脚本にはグラント演じるピーターがオードリーの未亡人、レジーナに言い寄ることになっていたのだが、その時点でも尚オードリーとの年齢差を気にしていたグラントは、設定を逆にするよう要求。
結果、それが受け入れられて、劇中ではレジーナが積極的にピーターに迫るシーンが随所で見られる。オードリーが相手役に迫るというのも珍しく、その意外性がけっこうドッキリだったりするのだが。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)