【A】2.ノー。
「真昼の決闘」('52年)はゲーリー・クーパー演じる保安官が結婚を機に職を辞するつもりが、かつて逮捕したならず者が街に帰還すると聞いて、再びバッヂをつけて悪に立ち向かう話。
劇中の時間の経過と上映時間が同時進行する"リアルタイム西部劇"として名高いが、実は2つの間には微妙なズレが。
物語は、午前10時35分に始まり、午後の12時15分に幕を閉じるのだが、上映時間は85分。これは、映画の編集を担当したエルモ・ウィリアムズが時間かっきりに編集したバージョンを、監督のフレッド・ジンネマンとプロデューサーのスタンリー・クレーマーが気に入らず、再編集した結果、時間に誤差が生じたもの。
だが、15分のズレなどもちろん映画の出来映えに関係ないし、この仕事でウィリアムズはアカデミー編集賞を手にしたのだから、よかったよかった。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)