【A】セリフをしょっちゅう忘れた。
「マイ・フェア・レディ」('64年)のオリジナル舞台で飽きるほどヒギンズ教授を演じていたにも関わらず、映画の撮影が始まると随所でセリフを忘れてしまうレックス・ハリソンに、イライザ役のオードリーもびっくり。
もちろんオードリーの頭にはイライザのセリフが一字一句漏らさず刻印されていたから、ハリソンのお手つきにも余裕で対処できたのだが。
しかし、運命とは皮肉なもの。そのレックス・ハリソンがアカデミー賞を堂々と受賞したのに、オードリーは候補にすらならなかったのだから。少なくても記憶力では彼に勝っていたのに。
(映画力がつく本:近代映画社刊より)